海外から見た日本の姿と日本食。「英国一家、日本を食べる」
NHKで放送されている「英国一家、日本を食べる」という番組ご存じですか？
イギリス人のフードライターが一家（本人、妻、6歳と4歳の男子二人という構成）で
日本に滞在し日本食を食べまくるというストーリーのアニメです。
以前NHKで深夜にふと見かけ、
・ポップい映像や世界観が楽しいこと
・食べ物エッセイ好きをくすぐる内容（馴染み深い日本食に関する発見でいっぱい！）
・一般的な欧米人が日本や日本食をどう受け取っているかが分かること
から、かなり新鮮で面白く、気に入ってしまい、DVDを購入したのでその感想を。
ちなみにアニメは全24話で、現在はNHK総合で火曜夕方に再放送されているようです。
DVDは全4巻、全話収録済み。
元々はイギリス人フードライターのマイケル・ブースさんが出版した「英国一家、日本を食べる」というエッセイが原作となっています。
ちなみに以前オススメ食エッセイ・食マンガを紹介した記事はこちら。食べ物ネタ好きの方はぜひご覧ください。
では、「英国一家、日本を食べる」の内容と感想を。
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イギリス人フードライターのマイケル・ブースは、日本食が大好き。
日本食をもっと深く知りたいと一家を引き連れ、日本に100日間滞在することにした。
日本食を食べつくすために。
様々な日本食が紹介され、エピソードも面白さもあるのですが、特に私がいいな〜面白いなーと思ったのは冒頭にも書いた3点です。
・ポップい映像や世界観が楽しい
・馴染み深い日本食に関する新しい発見がある
・一般的な欧米人が、日本や日本食をどう受け取っているかが分かる
ポップい映像や世界観が楽しい
人物の表情が豊かで観ていて楽しいです。特に子供ら可愛い〜（ツンデレ男子でww
また、日本の街並みの描写もうまくデフォルメされて表現されています。
「ジャパン」「海外から見た日本」ぽい。
アニメーションを担当するのは、「やわらか戦車」で有名なラレコさんという方。私は実は恥ずかしながらこれまでやわらか戦車を知りませんでした…ので、他の作品含め見てみたいなと思います。
馴染み深い日本食に関する新しい発見がある
日本食に造形が深い主人公のマイケルや、訪れる料理店の店主たちによって、
さまざまな料理の由来や味付け、コツやちょっとしたトリビアなどが解説されています。
なので、馴染み深い料理でも
「こうだったのか〜」
という発見がたくさんあります。
例えば、
・一番だしのとり方や天ぷらの揚げ方
・旨味成分は肉や魚、昆布、きのこ類でそれぞれ主成分が違い、それぞれを重ねあわせることでより旨味が深まるということ
・欧米でのBBQに比較して、日本の焼き鳥は食材を小さく切ることで火の通りがよい
などなど…
へ〜〜そうだったんだ〜〜という発見が毎回あって面白いです。
一般的な欧米人が日本や日本食をどう受け取っているかが分かる
主人公のマイケル自身は日本食に対して好意的ですし、日本人よりもよく知っているんじゃないかという感じです。
でも、家族や、彼の料理人時代の欧米人の仲間たちは必ずしもそうではありません。
特に彼の息子たちや欧米人の料理人たちは日本・日本食に関して手厳しいことを率直に言ってきます…
日本食なんて、
盲目的な健康主義者かダイエッターが食べる薄味の料理だとか。
盲目的な健康主義者かダイエッターが食べる薄味の料理だとか。
なんでも醤油味がする料理だとか。
確かに海外で和食を再現するのはかなり難しいでしょうし*1、
イマイチな日本食を食べていたら、海外の人の印象は残念なものなのかも…
イマイチな日本食を食べていたら、海外の人の印象は残念なものなのかも…
さらに、各話の冒頭に、「極東の国にわざわざやってきた」的なニュアンスのナレーションが入ります。
そう、彼らにとって日本は僻地、極東の国なのです。
例えば、日本から見た、中南米とかアフリカとか別の大陸の小国の珍しい料理…そんなような感じなのかもしれませんね…
また、日本では街なかに各国の料理店が立ち並び、さまざまなものを自分たちの文化に落とし込んでおいしく食べてしまうけれど、
それは日本独特の食文化であり、欧米の人たちは日本人ほどチャレンジングに何でも食べてみよう！おいしいじゃん！ってのがないのかもなぁ…と思いました。
日本人が食に貪欲なのはなぜなんでしょうかね？
ちょっとその辺りを今度突っ込んで調べてみたい気がします。
英国一家、日本を食べるのアニメDVDはこちら。NHKオンデマンドでも見られるみたいです。
原作本はこちら。これも気になるな、読んでみなきゃ。
*1:水質が日本と欧米では異なるのでだしが取りにくい（日本的な旨味が出にくい）とか、日本食に必要な素材が手に入らないなど、いろいろ要因があると思います
