1/31NHKスペシャル「ママたちが非常事態」を観て(サマリ・感想、掘り下げてほしい点)
昨日のNHKスペシャルで、「ママたちが非常事態!?」というタイトルで、
今の日本の育児環境で母親たちが抱える孤独についてフォーカスすると同時に、
その一因となっている「ヒト」の育児の大変さを科学的に掘り下げていく
という内容が放送されました。
内容のざっくりサマリと感想を書いていきます。
※本編中にあった「母親である妻が夫に対して抱くイライラ」の話について、追記したいことも合ったので、そちらは別記事起こしています*1
※3/27放送のママたちが非常事態2の感想はこちらです3/27放送 NHKスペシャル「ママたちが非常事態2」の内容と感想など - 単角子宮で二児の母
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・現代の日本では、乳幼児を育てる母親のうち7割程度が育児に孤独感を感じている。
・この孤独感の要因となるものは様々なものがあるが、今回フォーカスされたのは下記
・ヒトは他の動物(霊長類も含む)に比べて、進化や母親の保護の関係で
脳や身体が大人に比べてかなり未熟な状態で生まれてこざるを得ない。
・夜泣きやイヤイヤ期は、それぞれその未熟な状態からの環境への順応や発達の過程で起きるもの。
(夜泣きやイヤイヤ期はヒトという種である以上仕方がない過程。母親のせいではない)
※夜泣きは、胎児がお腹の中にいた頃に、母親を守るために夜間に活動が活発になっていたことの名残。
※イヤイヤ期は、脳の「前頭前野」が未発達であることから起きる。
前頭前野は、創造性や感情のコントロールをする、脳の中でも特に他の動物に比べて発達している重要な場所とのこと。
・このため、人間は、古くから集団で育児をしあう*2ことによって互いの育児の苦労をわかちあうと同時に、助けあってきた。
※例として女性たちが交代しながら生後数ヶ月の子どものお世話をしながら食料の収集を手分けして行う描写が描かれていました
・日本では核家族化が進み、こうした相互支援の仕組みがなく孤立した育児を迫られる。
反面、日本は伝統的に「母性」を求められる社会で育児への要求ハードルが高く、母親のプレッシャーになる。
・しかし、「母性」は本能的なものではなく、育児の中で後天的に獲得されるものである。女性に最初から母性が備わっているわけではない!
・また、産後は母体に変化も。
産後に分泌されるオキシトシンというホルモンにより、愛情が高まる反面、子を守るため攻撃性も高まり情緒不安定になる。
この感情のゆらぎが孤独感を生むこともある。
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…というわけで、
・育児の大変さは、ヒトの種としての特徴など科学的な要因がある
(お母さんだけの責任ではない)
・これらの要因が育児の孤独感やプレッシャーとなりうる
ということを、とてもわかりやすく伝えてくれる非常によい番組でした。
どんどん再放送してほしい!!
んですが、できればもっと掘り下げてほしいなと思う面もありました。
1)育児における社会的な相互支援の重要性と具体策
・母親の家族構成(夫や両親の助けを借りる)
・母親自身のコミュ力(助け合えるネットワークを自力で構築する)
に割と依存しちゃっているので、そこがけっこうキツイよな〜と… 思います。
2)夜泣きやイヤイヤ期以外の大変さに関する科学的な考察
と説明できることがまだまだたくさんある気がします。
3)育児当事者以外の理解
お母さんはこうあるべき
昔はこうだった
妊婦や子連れ迷惑
…など、そういう空気感が母親のプレッシャーになるというようなことが、もっと理解されていくといいなあと思います。
実際に妊娠や子連れで迷惑をかける場面もあると思っているので、母親サイドも頑張らなきゃとも思ってます。
なのでお互いもっと歩み寄れるといいな〜〜…と個人的には思います。
*1:「ママたちが非常事態!?」の追記(夫に対するイライラ。「それ他人事だと思ってない?」の話) - 単角子宮で二児の母(予定)
*2:もう本当に蛇足なんですけど現代でも集団育児が自然に行われている一例としてアフリカの民族で「森の人」という意味の「バカ族」という名前の民族が取り上げられていたのですが、この「バカ族」というのを聞くやいなや、一緒に観ていた夫が私を振り返ってニヤニヤしたのでイラッときましたよねと。バカなのは自分でも分かってるようるせえほっとけ!