IT企業広報として働く二児の母

IT企業の事業広報として働くアラフォー会社員。単角子宮による切迫流産・切迫早産を乗り越え、無事二児の母となりました。単角子宮での妊娠・切迫流産や切迫早産・帝王切開の経験、育児と仕事の両立、読んだ本などいろいろ書いていきます。

3/27放送 NHKスペシャル「ママたちが非常事態2」の内容と感想など

前回、1月末に放送され、お母さんたちが抱える育児の大変さ、孤独や悩みを科学的な切り口で見てみるという視点で話題になった、NHKスペシャル「ママたちが非常事態!?」。

続編が3/27に放送されました。追っかけで視聴したので、前回同様、内容のサマリと感想を。

※再放送は3/29(火)深夜(3/30(水)0:17〜1:06)放映済みです。現在はNHKオンデマンドで視聴できます。

NHKオンデマンド | NHKスペシャル 「ママたちが非常事態!?2~母と“イクメン”の最新科学~」

www.nhk.or.jp

 

今回は、前回取り上げられたイヤイヤ期に追加して人見知りの科学と、父親の育児について科学的な目が向けられました。

 

※前回1/31放送版のサマリ、感想はこちらです。

udonmotch.hateblo.jp

 

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サマリ:前回のおさらい

今、育児するママたちが孤独を感じている。

ヒトの赤ちゃんは、他の動物の赤ちゃんに比べると、大人に対して圧倒的に未熟な状態で生まれてくるため、育児に手間がかかる。そのため、伝統的な社会では、社会全体で分担しあって育児してきた。

しかし日本では核家族化が進む(子育て世代の8割が核家族)などの理由により、コミュニティで育児を分担し合うことができないため、母親の負担が非常に大きく、母親が孤立しがちな状況。

 

サマリ:科学で解明、人見知りの理由

人見知りは、生後半年ごろから始まる。これは、赤ちゃんが母親以外の他者が判別できるようになることにより始まるもので、人間特有の社会性が芽生え始めたという証拠。

もともと動物は、他者と目があった時に本能的に警戒心を抱くのだが、ヒトは(ヒト特有の)前頭前野の働きによって、警戒心による本能的な恐怖やネガティブな感情をある程度コントロールすることができる。

赤ちゃんはこの前頭前野が未熟なので、警戒心による本能的な恐怖を抑えられず、泣いてしまう。
(人見知りされる相手のことを嫌いというわけではない)

人見知りに対する対策としては、人見知りされる対象である人が、赤ちゃんが信頼している人(多くは母親)と友好的な関係であることを赤ちゃんに示して、少しずつ理解させるしかない。


サマリ:科学で解明、イヤイヤ期への対策

ヒトの脳には、前述した「前頭前野」という、未来を予測し計画的に行動できるための分野がある(これにより、欲求に対する我慢などができる)。

子供はまだこの前頭前野が十分発達していないため、欲求を我慢することができない。

この前頭前野を発達させ、我慢できるようになるには、自ら我慢できる経験を積むことが大事。

例えば、子供が納得できるルールを設け、そのルールに則って我慢させること。ルールを守れたらたくさん褒めてあげることでその経験を積むことができる。

(例としては、テレビを見る時間を時計の数字で示し、針がここまで来たらおしまいにしようね、等と伝えるなど)

我慢できたらご褒美をあげる、というやり方も緊急手段としてはありだが、前頭前野を発達させてあげるという長い目で見ると、少し長期的な目標を頑張らせることで達成感を得られる経験、成功体験的なものを与えてあげられる方がよい。

 

※「イヤイヤ期の対策」に関して私が思ったこと

そうなんだろうなー、うん、そうなんだろうけれども、イヤイヤ期ってその子にもよりますが1歳台から始まったりするんですよね(うちは1歳半くらいから徐々にやってきました…!)。そしてピークは2歳台。

大人が言っていることやルールが理解できるようになるのは、個人的な経験だと3歳くらいのような気がしています。

感覚的には、おむつが取れる頃、急にいろんなことに社会性を獲得する、言い換えると「いきなり言葉が通じる幼児になる」という感じでした。

なので、最もイヤイヤが厳しい時期はちょっとこれだけだと乗り越えられないかもな〜〜と思います。

(イヤイヤで床ローリングしている娘や、のけぞって嫌がる娘を、何度も泣きたい気持ちで丸太のように抱えたことを思い浮かべながら…うう…今思い出しただけでもゾッとする…) 

 

でも、少しずつ試してみることには、価値があるんだろうなと思います!そこでの積み重ねが「いきなり幼児化」のベースにもなるんだろうなと。

 

サマリ:科学で解明、男性の育児について 

休日は上の子を見てくれてよく面倒を見てくれる、イクメンを自負する男性。妻もそんな夫に心から感謝しているものの、それでも妻から見ると、「気がつかない!」とイライラしてしまう時がある*1

例えば、食事の時に自分が食べることに集中してしまい、子供の様子の変化に気づかない。結局先に気づいてしまう妻のほうが動き回って食べられない間に、夫完食…*2

 

このように子供の異変に対して夫のほうが反応が遅いのは、脳科学的な問題。

もともと女性の方が子供の泣き声に敏感であり、泣き声がしたらすぐに反応し原因分析し体が動くという回路が出来上がっている。

同じことを男性である父親に求めてしまうが、もともと男性と女性では進化の過程で育児に関する役割分担があったため、子供の異変を察知する能力はどうしても女性のほうが上…。

現在は女性の社会進出により、男性の育児参加が求められるようになっているが、男性は実はハンデを負っている状況ということ。

 

しかし、父親も育児に積極的に関わることで、それを改善できる。

育児に関わることで、子供に対する反応の回路は活性化されていくし、また、母親に産後分泌され子供への愛着を強めるホルモン「オキシトシン」は、男性である父親にも、積極的に子供と関わることで分泌される。

このホルモンは、父子の接触により父子相互に分泌されるので、父子、夫婦間の愛着が強まる。

さらに、この愛着ホルモンが分泌されることで、パートナー以外の異性への欲求を抑えられるらしい。

育児によって男女問わず分泌されるこのホルモンは、家族の絆を強め保つホルモンだということ。

 

※「男性の育児について解明」に関して私が思ったこと

男性も大変な中頑張ってくれてるんだなあということが、改めて分かりました。
(夫も今私が切迫早産で動けないこともあり、以前の何倍も立ちまわってくれていて、本当に感謝してもしきれないくらいです)

 

ただ、この内容(もともと育児に関する潜在的な能力には男女差がある)だけ切り取ってみると、

「じゃあやっぱり育児は男には元々向いてないんじゃん?向いてる女がやれば?」

という印象になっちゃいそうな気もしてちょっと怖いのが本音です。

まさに我が家の現在がそうなのですが、結局核家族である以上、いちばん身近な仲間である夫に理解してもらい手伝ってもらわないことには正直全く回りません。

とはいえ、「母親だからできるでしょ?」がしんどかった自分自身のことを振り返ると、男性も頑張れば大丈夫!だとしんどいだろうな、きついだろうな、と思います。

ましてや、やはり現実的に経済的な責任を負って、仕事をしている量が多いのは男性のほう、という家庭がほとんどだと思うので…。

 

次回以降があるならば、その辺りの工夫について、もっと情報があるとありがたいな〜というように思います。

 

(ちなみに、今回の男性ゲストは前回の恵俊彰さんに、3児の父であるユージさんが加わりました。男性のお二人、育児してますか?と聞かれ、夜泣き対応をしているというゲストのイクメン代表ユージさんは、「してると思います」と爽やかに回答。対して、しょっぱい顔になり、してません!と潔く正直に答える恵さん。前回を教訓に、ゲストに本物のイクメン投入してきたなと…)

 

全体を通して

育児の大変さを科学で解明するというコンセプトは、大変なことは母親の責任ではなくちゃんと理由があると伝わることで、育児に悩むお母さんたちの心理的負担が減ると思うので、とても意義があると思います。

ただ、正直それだけだと手詰まり感があるように思ったのが、前回、今回通しての印象です。(大変なのに理由があるのは分かった、分かったんだけど…!という物足りなさ。求め過ぎかもしれませんが!)

育児の大変さや孤立について真正面から取り上げてくれる番組ってなかなかないので、本当にいい番組だなと思います。

ただ、このあたりの問題は、科学的なものもある反面、個人だけに閉じない問題でもあると思うので、家族単位なり、社会なりでどうしていくかみたいな提言とか対策が、今後シリーズの中でカバーされていくといいな…というのが思いです。

 

前回1/31放送分の感想はこちら。

1/31NHKスペシャル「ママたちが非常事態」を観て(サマリ・感想、掘り下げてほしい点) - 単角子宮で二児の母

 

NHKの見逃し配信はこちら。

www.nhk-ondemand.jp

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