観た映画:「俺はまだ本気出してないだけ」ひたすらダメでひどい堤真一とひたすら普通で常識人の生瀬勝久
Amazonプライムの人気映画を眺めていたら、この堤真一の怪しい笑顔に引かれてしまったので観てみることにしました。
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「俺はまだ本気出してないだけ」
もうこのタイトルからヤバイ。どうしようもないダメなおっさんが出てくる予感しかしない。
期待通り、冒頭から、堤真一演じる主人公シズオがダメダメで汚くてカッコ悪いことこの上ない。
(カッコイイ堤さんはいったいどこに隠れてしまったの…www)
(カッコイイ堤さんはいったいどこに隠れてしまったの…www)
どんくらいダメかというと…
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自分探しのために、高校生の娘(橋本愛)がいるシングルファーザー(老齢の父(石橋蓮司)と同居)であるにもかかわらずサックリ会社をやめてしまい、朝から寝転んでゲーム。(ウイイレ?)
ある日自分がやりたいことを見つけたと思ったら、なんとやりたいことは漫画家デビュー。
(42歳やで!!!)
生活が苦しくなり、仕方なくファーストキッチンでバイトするものの、
後輩の外国人バイトに説教され、
20代のバイトには「店長」というアダ名で呼ばれバカにされ、
自分より20歳近く年下の本物の店長(おそらく社員)には心の底から見下された上、「大人ですよね?」と冷たい目で蔑まれ、
バイト仲間に誘われた合コンに浮足立って行ってしまい、合コン相手の自分の娘と年が変わらないような女の子にこれまたバカにされる。
そして自分のダメさに何度も葛藤する。でもやっぱダメな俺。あはははは!
ウワー。
いたたまれない…見てていたたまれない。
ひ、ひどい、こんなダメな42歳ほんとうに嫌だ…!
(生瀬勝久演じる主人公の幼なじみの長男が、「パパがシズオみたいになったら困る」と後に語るのがものすごくよくわかるww)
キャスティングとか
堤真一といい石橋蓮司といい、主要な実力派俳優たちが「狙った感じ」の大げさな演技で、なんか壮大なコントみたいだなと思っていましたが、途中で気づきました。
これ、勇者ヨシヒコの監督である福田雄一さんが監督だということに。
ふとしたところに佐藤二朗(演じてる占い師ちょう最高)、ムロツヨシ(演じてる不動産屋ちょうちょう最高)、指原莉乃と福田組おなじみメンバーも顔を出す。
(山田孝之とムロツヨシのやり取りとかあって完全にヨシヒコww)
キャスティングの妙はさすが。みんな上手い。
濱田岳演じる編集者なんか、なんかこういい加減な感じに持ち上げながらも絶妙に没出しをして追い払うそのバランス感が濱田岳くんにぴったり合ってて好き。
ストーリーについて
内容は単なる壮大なコントで終わらず、終盤は引き込まれる展開。
全体的に収束のさせ方は予定調和だな〜と思いながらも、安心感がある収め方でした。
特に生瀬勝久演じる宮田親子絡みのエピソードが、ぐっと心に響きました。
宮田の常識的な態度、大人であるということ、人間臭さがとてもよかったというのもあります。
主人公シズオがアホで突拍子もなくて常識ゼロと言っていい感じだし、
他の登場人物もなんかどっかネジが外れてるというか振り切ってる感じなので、
この話の主要人物の中で唯一「普通のテンション」の宮田の機微が浮き上がってくる感じがします。
そんな宮田が「俺カッコイイかな…」と窓に映る自分を自虐的に見つめる場面や、
「いい人で何が悪いんだ!?」が激昂する場面、よかったです。
「いい人で何が悪いんだ!?」が激昂する場面、よかったです。
いい人は、いい人でいることがいいことだと思って、頑張って、いい人でいるんですよね。
でもそれだと周りがむしろ辛かったり、周りをスポイルしてしまうことになる…。
あと、個人的には橋本愛ちゃん演じる鈴子に、どこかでマジギレしてほしかった。
いや、こんなアホな父親なんだからどっかでキレないと。キレるか無視でしょ。どんだけ懐深いんだよすずこちゃん。
でも彼女はどこまでいっても穏やかに父を見守る娘さんなのです。
(まあ彼女がエンディング近くに取っている行動がかなりインパクト強いんですが、でもこれも「見守る」一環なんですよ…)
これじゃあ鈴子ちゃんは将来間違いなくダメな男に捕まって骨の随までしゃぶられてしまう。
彼女には誠実な男性を見つけて幸せになってほしいなあ。
原作も面白そうなので、機会を見つけて読んでみたいです!
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福田雄一監督の勇者ヨシヒコ。
ファミコン版ドラクエ世代には涙モノの設定。私はムラサキが好きですww